2022.03.08

【50代以降】女性のコレステロール値が上昇する理由とは?基準値やコレステロール値を下げる方法

「年を重ねるごとにコレステロール値が上がっている」「健康診断でコレステロール値の指摘を受けた」と悩んでいませんか?実は、50代以降の女性でコレステロール値が急激に上昇するのは珍しいことではありません。

そこでこの記事では、更年期を迎えた女性のコレステロール値が上昇する理由を解説します。また、数値を下げる方法もご紹介しますので、健康的な体を維持するためにも、ぜひ参考にしてください。

50歳を迎えた女性は、閉経の影響によりコレステロール値が高くなる傾向にあり、血液中の脂質が基準値内に収まらない状態を、脂質異常 と呼びます。そこでまずは、コレステロール値の異常を示す脂質異常や、閉経とコレステロール値の関係について、詳しく見ていきましょう。

◇脂質異常とは?
脂質異常とは、血液中の脂質の値が基準値から外れた状態を指します。具体的には、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪の血中濃度が、正常の範囲から外れている状態です。

今まで数値に異常はなかったものの、50歳を超えてから健康診断で脂質異常を指摘された人も多いのではないでしょうか?基準よりコレステロール値が高い人だけでなく、低い場合も何らかの問題があるといえるでしょう。

LDLコレステロールは悪玉コレステロール、HDLコレステロールは善玉コレステロールとも呼ばれています。体内のコレステロールの大半は肝臓で合成 されており、悪玉コレステロールも体に不可欠 なものです。

しかし、コレステロール値が基準値を外れると血液循環が悪くなります。脂質異常にならないよう、バランスの良い数値を保つことが大切です。

それぞれのコレステロールが体に与える影響については、以下の記事でも解説しているので、ぜひご覧ください。

LDLコレステロールとは?働きや体への影響と値を下げる方法を紹介

◇女性は閉経後、総コレステロール値が高くなる
脂質代謝には性差があり、50歳になるまでは女性の総コレステロール値 とLDLコレステロール値のほうが男性よりも低い傾向です。しかし、女性は50歳を過ぎて閉経を迎えると、脂質代謝に変化が見られます。50歳以降は数値が逆転し、女性のほうが高くなってしまうのです。

では、なぜ女性は50歳を過ぎると、急激に総コレステロール値が高くなってしまうのでしょうか?その原因は、女性ホルモンのエストロゲンです。エストロゲンには、血管が硬くなって柔軟性が失われる状態を抑制する働きのほか、肝臓で作られるLDLコレステロールを血液中に放出したり、血液中から肝臓に取り込んだりするなど、脂質代謝を正常に保つ働きがあります。

閉経後はエストロゲンが減少するため、LDLコレステロールがうまく肝臓に取り込まれません。その結果、LDLコレステロールが血液中に溜まってしまいます。これが更年期以降に総コレステロール値が急に上昇してしまう原因です。

女性が更年期を迎えて閉経し、エストロゲンが減少する流れはごく自然なことですが、脂質異常が進めば血管に関連した健康リスクにもつながるため、注意が必要となります。

コレステロール値
「コレステロール値に注意が必要」「基準値を超えている」と聞くと、血管の病気になるのではないかと不安にもなるでしょう。しかし、50歳を過ぎた女性のコレステロール値が上昇する現象は珍しくありません。

やみくもに不安になる前に、具体的なコレステロールの基準値 を確認してみましょう。

LDLコレステロール値 140mg/dL以上は脂質異常の疑いあり
HDLコレステロール値 40mg/dL未満は脂質異常の疑いあり
トリグリセライド値 150mg/dL以上は脂質異常の疑いあり
※10時間以上の絶食時の採血にて(水やお茶などの水分摂取は可) 。

参考:
厚生労働省|e-ヘルスネット
一般社団法人日本動脈硬化学会

トリグリセライドとは、中性脂肪のこと です。基準値を超えている人は、いわゆる肥満傾向にあるといえます。

上記はあくまでも目安であり、基準値から外れたらすぐに治療が必要というわけではありません。LDLコレステロールの基準値については、以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

LDL(悪玉)コレステロール値|基準値や改善方法、高過ぎても低過ぎても良くない理由とは

更年期を迎えた女性は、女性ホルモンの関係でコレステロール値が上昇します。血液中のLDLコレステロールが多くなり過ぎると、血管が硬くなり血液の流れが悪くなる恐れがあるのです。

そこでここからは、基準値を保つために意識したい、コレステロール値を下げる方法をご紹介します。「更年期だから仕方がない」ではなく、健康的な体を保てるよう参考にしてみてください。

◇食事で摂取エネルギーを適正化する
閉経後の女性は肥満になりやすい傾向にありますが、年齢を重ねても食事内容が若い頃と変わらない人も多いのではないでしょうか?コレステロール値の上昇や肥満には、食事も大きく関係しているといえます。

そのため、中性脂肪を増やす要因となるアルコールや糖分の多い食べ物は、適正な量を摂取するよう意識しましょう。特に、動物性脂肪の肉の脂身やバター、生クリームなどの摂り過ぎには注意が必要です。

また、食物繊維を多く含んだ食品を積極的に摂るとよいでしょう。おもに雑穀、豆類、きのこ類、果物などをおすすめします。大豆イソフラボンには、エストロゲンに似た作用が認められているため、閉経後のエストロゲン低下に大豆製品を摂取するのも効果的です。

◇運動習慣を身につける
閉経後の女性は、運動不足になる傾向があります。運動時には血液中の脂質がエネルギーとして消費されるため、LDLコレステロール値を下げたり、HDLコレステロール値を上げたりする効果が期待できるでしょう。つまり、消費エネルギーを増やして代謝を改善することで、脂質異常の予防につながるのです。

運動は、ウォーキングなどの有酸素運動がおすすめです。30分以上の運動を毎日続けられるよう意識しましょう。運動により筋肉がつけば、基礎代謝の向上も期待できます。太りにくく痩せやすい体になるため、ダイエットにもよいでしょう。

「今まで運動をしたことがない」「今から運動を始めるのは気が重い」という方は、お風呂上がりのストレッチや近所の散歩など、無理なく簡単にできる方法から始めることをおすすめします。

50歳を過ぎると、女性はコレステロール値が急激に上昇する傾向にあります。閉経により女性ホルモンのエストロゲンが減少し、脂質の血中濃度を正常に保てなくなることが原因です。

しかし、コレステロール値が上昇する原因は女性ホルモンだけではありません。脂質の多い食生活による肥満や、運動不足も関係しています。コレステロール値を下げるためには、脂質を控えた食事や食物繊維を多く含む食品の摂取が大切です。

また、運動習慣を身につけることで代謝改善が期待できます。適度な運動はコレステロール値を下げるだけでなく、さまざまな病気の予防にもつながるため、いつも体を動かすことを心掛けましょう。