脱・コレステロールたっぷりの食事~おすすめの置き換え食品~

バターたっぷりのパン、砂糖たっぷりの甘いシリアル、ソーセージ、チーズをはじめ脂肪たっぷり美味しい食事。美味しいですよね。コレステロールを気にしながらも、つい食べたくなってしまいますよね。でも、それと同じくらい高コレステロールの食品を健康な食品に代替できます。コレステロール管理の習慣は、普段見えないため意識されにくいですが、実は、重大な健康リスクを招いてしますことがあるのです。

また、心血管疾患をはじめ健康問題の家族歴がある場合は、家族歴に問題がない人よりも、いっそう食事と健康の習慣に配慮する必要があります。家族全員、いつまでも健康で幸せな生活を送りたいですよね。

そこで良い情報をお届けいたします。体に良い食生活を心がけることで家族全員のコレステロール状態を改善し、健康を保つことができるのです。

コレステロールにまつわるいくつかの一般的な食事と、健康的にコレステロールをコントロールする方法、血管系を元気にするのに役立つ大切な知識をご紹介いたします。
コレステロールとは何者
一般的にすべてのコレステロールが体に悪いと思われがちですが、そうではありません。実は、コレステロールには2つのタイプがあり、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールと高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールです。LDLは「悪玉」コレステロールとして知られているものです。LDLは動脈を詰まらせ、動脈の血管の柔軟性を低下させたり、破裂しやすくしたりする可能性があります。LDL値の上昇は心血管疾患の主な危険因子と見なされ、その値が上昇すると心血管疾患のリスクが高まります。

これに対して、HDLは「善玉」コレステロールとして知られています。HDLは動脈にこびりついたLDLを除去し、肝臓に戻す働きがあります。そしてLDLは肝臓で分解され、体から排出するようにしてくれます※1

コレステロールを下げたり、あるいは健康な範囲内に抑えたりすることは、食べ物によって改善できることが判っております。これから紹介する置き換え食品はコレステロールのバランスをとる働きがあります。では、その食べ物とはなんでしょうか?具体例を紹介いたします。
バターをオリーブオイルに代える
現代の日本人も朝トーストをよく食べるようになりました。

熱いトーストにバターをたっぷり。。。
美味しそうですね。

美味しくて、ついつい習慣化してしまいます。
しかし、気が付かない間にコレステロール値にじわじわと影響します。

でも、あまり怖がることはありません!
多少の味覚の変化はありますが、バターの代わりにオリーブオイルを使用してみましょう。
オリーブオイルに変えるだけで、動脈の状態ははるかに良くなります。

バターには約50%の飽和脂肪が含まれています※2。バターをオリーブオイル(一般的な調理成分)に代えると、コレステロール値のバランスが改善されます。オリーブオイルには心臓や血管を健康にする一価不飽和脂肪酸がたくさん含まれており、LDLを減少させる働きがあります※3

オーストラリア連邦科学産業研究機構CSIROによれば、バターからオリーブオイルに簡単に交換することで、飽和脂肪の摂取量を最大10%減らすことができます※4
ビスケットをナッツに代える
仕事や勉強の合間のおやつタイム。楽しみですよね。しかし、少しだけ罪悪感を感じることはありませんか?

加工食品をおやつにするのではなく、健康的なおやつに代える必要があります。
もし、コレステロール値を下げながらお菓子を食べたい時は、アーモンドやクルミ、カシュ―などのナッツを食べることです。

ナッツは、モノ飽和脂肪酸(MUFA)とポリ不飽和脂肪酸(PUFA)、可溶性繊維、植物ステロールが豊富で、血管を健康に保つことができます。

ある研究では、地中海風の食事(例:イタリア料理)にナッツを加えると、心臓病のリスクが30%低下することが示されています。無塩アーモンド、クルミ、カシューナッツを推奨します。ただし、ナッツ類は健康に良いですが、カロリーも高いため、1日に数粒(30g)で抑えるようにしましょう※5
甘いシリアルをやめてオーツ麦へ代える
とても甘く糖分が多いシリアルが、非常に高い評価の健康食品として認知されています。ちょっと考えてみましょう。マーケティング担当者は、製品を独自に評価するのではなく、100mLのスキムミルクを加えての評価をしていることが多いです。

オーツ麦は、シリアルに比べて全体のバランスを自然な状態に近づけてくれます。オーツ麦には、総コレステロールとLDLコレステロールの両方を低下させることが示されている可溶性繊維の一種であるベータグルカンが高い割合で含まれています※7。ベータグルカンが消化されると、腸内のコレステロールに結合して血流への吸収を妨げるゲル状の物質を形成します。ある研究発表では、コレステロールが正常または高コレステロールの人が、1日に3gのベータグルカンを食べたところ、総コレステロール値とLDLコレステロール値が、それぞれ平均5%と7%減少したことがわかりました※8
加工肉ではなく豆を摂る
ソーセージやハンバーガーに何が入っているか詳しく知っている人はいますか?食材のラベルを確認すると、「肉」以外にも添加物等が加えられた加工肉であることに驚くかもしれません。そこで、加工肉と豆と少し混ぜてみてはいかがですか。

「インゲン豆からレンズ豆、ひよこ豆、黒豆など豆は非常に用途の広い食品です」とスティーブン博士は、下記のように説明しています。「心臓や血管系に健康的なこれら豆の重要な要素は、体内で飽和脂肪酸やコレステロールの結合を助け、体内への再吸収を防いでくれる水溶性繊維です。アリゾナ州立大学ポリテクニック校の研究者は、スープに豆を2分の1カップ追加すると、LDLを含む総コレステロールが最大8%低下することを発見しました※9。」

以上のように少しの「置き換え」をするだけで、コレステロール対策ができますのでぜひ普段の生活に取り入れてみてくださいね。
齋藤先生_背景透過_切り抜き

監修:ナグモクリニック東京院 女性更年期外来担当医師
斎藤 糧三 医師

1998年、日本医科大学卒業後、産婦人科医に。その後、美容皮膚科治療、栄養療法、点滴療法、ホルモン療法を統合したトータルアンチエイジング理論を確立。2008年、「機能性医学」の普及と研究を推進するため「日本機能性医学研究所」を設立。
2013年よりナグモクリニック東京院で栄養外来と女性更年期外来を担当している。
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