LDLコレステロールは食事で改善できる?LDLコレステロールが体におよぼす影響や改善ポイントを解説
LDLコレステロールは悪玉コレステロールとも呼ばれ、増えすぎると体に悪影響をおよぼします。LDLコレステロールを減らすには食生活の改善や運動などが効果的ですが、やみくもに食事制限をしても十分な効果は期待できません。
そこでこの記事では、LDLコレステロール値を食事から改善するためのポイントと、具体的な食事の量・メニューなどを解説します。主菜や副菜に利用できるレシピも紹介しますので、毎日のメニュー作りに迷ったらぜひご利用ください。
そこでこの記事では、LDLコレステロール値を食事から改善するためのポイントと、具体的な食事の量・メニューなどを解説します。主菜や副菜に利用できるレシピも紹介しますので、毎日のメニュー作りに迷ったらぜひご利用ください。
LDLコレステロールが高いと良くない理由
まず、LDLコレステロールの役割と、増えすぎると良くない理由を理解しておきましょう。
コレステロール自体は体に悪いものではなく、細胞膜やホルモン、胆汁酸などの材料となる重要な存在です。そのため、通常の範囲内であれば、体に悪影響をおよぼすことはありません。
増えすぎたLDLコレステロールは、少しずつ血管壁に蓄積します。やがてそれらは活性酸素により酸化され、過酸化脂質(酸化LDL)へと変化。酸化LDLは血管壁を傷つけ、血管のしなやかさを損なっていきます。
酸化LDLの悪影響はそれだけではありません。
血管壁に沈着した酸化LDLは体内で異物とみなされるため、白血球が集積して取り除こうとします。その残骸が血管壁にたまると、血管内部が細くなったり血液の塊ができやすくなったりするため、血流が阻害されることもめずらしくありません。特に心臓や脳の血管が障害されると、死に至る場合もあります。
このようなことから、LDLコレステロールの増えすぎは「良くない」とされるのです。
LDLコレステロールについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
LDLコレステロールとは?働きや体への影響と値を下げる方法を紹介
◇LDLコレステロールの役割
LDLコレステロールは脂質の一種で、肝臓で作られたコレステロールを全身へ運ぶ働きがあります。コレステロール自体は体に悪いものではなく、細胞膜やホルモン、胆汁酸などの材料となる重要な存在です。そのため、通常の範囲内であれば、体に悪影響をおよぼすことはありません。
◇LDLコレステロールが増えすぎるとどうなるのか
問題になるのは、LDLコレステロールが増えすぎた場合です。増えすぎたLDLコレステロールは、少しずつ血管壁に蓄積します。やがてそれらは活性酸素により酸化され、過酸化脂質(酸化LDL)へと変化。酸化LDLは血管壁を傷つけ、血管のしなやかさを損なっていきます。
酸化LDLの悪影響はそれだけではありません。
血管壁に沈着した酸化LDLは体内で異物とみなされるため、白血球が集積して取り除こうとします。その残骸が血管壁にたまると、血管内部が細くなったり血液の塊ができやすくなったりするため、血流が阻害されることもめずらしくありません。特に心臓や脳の血管が障害されると、死に至る場合もあります。
このようなことから、LDLコレステロールの増えすぎは「良くない」とされるのです。
LDLコレステロールについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
LDLコレステロールとは?働きや体への影響と値を下げる方法を紹介
LDLコレステロールを食事で改善するためのポイント
食事の内容を見直してLDLコレステロールを減らすためには、いくつかのポイントをおさえておかなければなりません。ここでは、LDLコレステロールの低下に特に役立つ3つのポイントを見ていきましょう。
LDLコレステロールを増やしやすいのは、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸です。飽和脂肪酸は肉の脂身部分や鶏肉の皮、バター、乳脂肪などに。トランス脂肪酸はマーガリンや市販の菓子類、工場生産の揚げ物などに多く含まれます。
一方、LDLコレステロールを下げる働きがあるとされるのが、植物油や青魚などに含まれる不飽和脂肪酸です。
そのため、脂肪分の多い肉類や乳製品などを減らし、代わりに植物油や青魚の摂取を心がけると、コレステロール値の改善につながります。
食物繊維は、野菜や海藻類、きのこ類、こんにゃくなどのいも類に多く含まれるため、これらを食事ごとにたっぷり摂るのが理想です。主食を胚芽米や麦飯、全粒粉パン、そばなどに変えるのもよいでしょう。
また、食物繊維は大豆製品や豆類にも多く含まれるため、これらを取り入れるのもおすすめです。
特に、肉や魚の内臓類、たらこやいくらなどの魚卵、鶏卵はコレステロールを多く含むため、要注意です。卵を使った菓子類もコレステロールが高めなので、食べる量や回数を控えるようにしましょう。
食事以外でコレステロールを改善する方法は、こちらの記事を参考にしてください。
LDLコレステロールを下げるには運動が必要!時間の目安と運動強度について
◇食べ物から摂る油の種類に気を付ける
油にはいくつか種類があり、それぞれ体への影響も異なります。LDLコレステロールを増やしやすいのは、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸です。飽和脂肪酸は肉の脂身部分や鶏肉の皮、バター、乳脂肪などに。トランス脂肪酸はマーガリンや市販の菓子類、工場生産の揚げ物などに多く含まれます。
一方、LDLコレステロールを下げる働きがあるとされるのが、植物油や青魚などに含まれる不飽和脂肪酸です。
そのため、脂肪分の多い肉類や乳製品などを減らし、代わりに植物油や青魚の摂取を心がけると、コレステロール値の改善につながります。
◇食物繊維をたっぷり摂る
食物繊維には、食事に含まれるコレステロールを吸着して体外に排出する働きがあります。食物繊維は、野菜や海藻類、きのこ類、こんにゃくなどのいも類に多く含まれるため、これらを食事ごとにたっぷり摂るのが理想です。主食を胚芽米や麦飯、全粒粉パン、そばなどに変えるのもよいでしょう。
また、食物繊維は大豆製品や豆類にも多く含まれるため、これらを取り入れるのもおすすめです。
◇コレステロールの多い食品を控える
体内にあるコレステロールのうち、食事由来のコレステロールは2~3割程度にすぎません。しかし、食事から摂取するコレステロールの量が過剰になると、その影響は無視できなくなってきます。特に、肉や魚の内臓類、たらこやいくらなどの魚卵、鶏卵はコレステロールを多く含むため、要注意です。卵を使った菓子類もコレステロールが高めなので、食べる量や回数を控えるようにしましょう。
食事以外でコレステロールを改善する方法は、こちらの記事を参考にしてください。
LDLコレステロールを下げるには運動が必要!時間の目安と運動強度について
LDLコレステロール改善が期待できる食事メニュー
LDLコレステロールの改善を目指す場合でも、極端な食事制限は必要ありません。大切なのは、主食・主菜・副菜がバランスよくそろった食事を過不足なく摂ることです。ここからは、LDLコレステロールの改善が期待できるメニューや食事の量を具体的に紹介します。
1食あたりの目安量は、ご飯なら1膳(150g)、パンならば6枚切りの食パン1枚、あるいはロールパン2個になります。めん類は、通常の1人前が目安です。
食物繊維の量を増やしたい場合は、前述のように胚芽米や麦飯、全粒粉パンやそばなどを取り入れるとよいでしょう。いろいろな食品を使えば、メニューのマンネリ化を防げます。
1食あたりの目安量は、少なくとも卵1個分程度。肉や魚を使う場合は、目玉焼きサイズを目安にしましょう。
ただし、主菜は脂肪分やコレステロールが多くなりがちです。脂肪分や脂身の多い肉はできるだけ控えて、赤みの多い肉や脂身を取り除いた肉を選びましょう。そして、不飽和脂肪酸を多く含む魚は、毎日1切れ程度は食べるようにしてください。
主菜のおすすめメニューとして、「さばの大葉トマトチーズ焼き」のレシピを紹介します。主菜としては量が多めですが、副菜と併せたメニューとして考えればちょうど良い量です。
◇主食
主食とは、ご飯・パン・めん類などのことです。1食あたりの目安量は、ご飯なら1膳(150g)、パンならば6枚切りの食パン1枚、あるいはロールパン2個になります。めん類は、通常の1人前が目安です。
食物繊維の量を増やしたい場合は、前述のように胚芽米や麦飯、全粒粉パンやそばなどを取り入れるとよいでしょう。いろいろな食品を使えば、メニューのマンネリ化を防げます。
◇主菜
主菜は、肉・魚・卵・大豆や大豆製品などを使うメインディッシュです。1食あたりの目安量は、少なくとも卵1個分程度。肉や魚を使う場合は、目玉焼きサイズを目安にしましょう。
ただし、主菜は脂肪分やコレステロールが多くなりがちです。脂肪分や脂身の多い肉はできるだけ控えて、赤みの多い肉や脂身を取り除いた肉を選びましょう。そして、不飽和脂肪酸を多く含む魚は、毎日1切れ程度は食べるようにしてください。
主菜のおすすめメニューとして、「さばの大葉トマトチーズ焼き」のレシピを紹介します。主菜としては量が多めですが、副菜と併せたメニューとして考えればちょうど良い量です。
・材料(4人分)
・ さばの水煮缶:2缶
・ 玉ねぎ:3/4個
・ トマト:1.5~2個
・ 大葉:8枚
・ さば缶の汁:適量
・ にんにく:1片
・ オリーブオイル:適量
・ チーズ:適量
・作り方
1. 材料を切る。
玉ねぎ:薄切り、トマト:2cm角、大葉:千切り、にんにく:すりおろす
2. フライパンにオリーブオイルとすりおろしたにんにくを入れ、玉ねぎを軽く炒める。
3. 炒めた玉ねぎをグラタン皿に敷き、食べやすい大きさにほぐしたさばを玉ねぎの上に並べる。
4. トマトと大葉をさば缶の汁で和え、さばの上に乗せる。
5. チーズをトッピングして、180度のオーブンで10分焼き上げたら完成。
目安は1食あたり小鉢2つ分程度ですが、食物繊維をたっぷり摂るために一日あたり小鉢6つ分以上食べるとよいでしょう。
副菜の例としては、野菜サラダや野菜のおひたし・煮物、野菜炒めなどがあります。具だくさんのみそ汁も、小鉢1つ分として数えることが可能です。
副菜のおすすめメニューとして、「チョップドサラダ」のレシピを紹介します。レシピ内の野菜は、お好みに合わせて変更してください。
・ さばの水煮缶:2缶
・ 玉ねぎ:3/4個
・ トマト:1.5~2個
・ 大葉:8枚
・ さば缶の汁:適量
・ にんにく:1片
・ オリーブオイル:適量
・ チーズ:適量
・作り方
1. 材料を切る。
玉ねぎ:薄切り、トマト:2cm角、大葉:千切り、にんにく:すりおろす
2. フライパンにオリーブオイルとすりおろしたにんにくを入れ、玉ねぎを軽く炒める。
3. 炒めた玉ねぎをグラタン皿に敷き、食べやすい大きさにほぐしたさばを玉ねぎの上に並べる。
4. トマトと大葉をさば缶の汁で和え、さばの上に乗せる。
5. チーズをトッピングして、180度のオーブンで10分焼き上げたら完成。
◇副菜
副菜は、野菜やいも類、きのこや海藻類を中心としたおかずです。目安は1食あたり小鉢2つ分程度ですが、食物繊維をたっぷり摂るために一日あたり小鉢6つ分以上食べるとよいでしょう。
副菜の例としては、野菜サラダや野菜のおひたし・煮物、野菜炒めなどがあります。具だくさんのみそ汁も、小鉢1つ分として数えることが可能です。
副菜のおすすめメニューとして、「チョップドサラダ」のレシピを紹介します。レシピ内の野菜は、お好みに合わせて変更してください。
・材料(4人分)
・ ミックスビーンズ:80g
・ 大根:2~3cmの輪切り
・ パプリカ:1/4~1/3個
・ きゅうり:1本
・ コーン(茹で):40g
・ かつお節:適量
・ オリーブオイル:大さじ1
・ レモン汁:小さじ4
・ 砂糖:小さじ2/3
・ 粒マスタード:適量
・ 塩:適量
・ 粗びき胡椒:適量
・作り方
1. ミックスビーンズとコーンは、水気を切っておく。
2. 大根・パプリカ・きゅうりを1cmのさいの目切りにする。
3. 大根とパプリカを軽く湯がき、水気を切る。
4. ボウルに胡椒以外の材料をすべて入れ、混ぜ合わせる。
5. 粗びき胡椒で味を調えたら完成。
一日の目安量は、牛乳ならばコップ1杯(200mL)です。ヨーグルトなら、小さめのカップ(約75g)2個分になります。6Pチーズの場合は2個です。1回の量を減らして、それぞれを組み合わせても構いません(例:牛乳100mL+ヨーグルト1個など)。
果物は、みかんサイズなら2個、りんごサイズなら1個までが目安です。間食をお菓子から果物に変えるだけでも、栄養バランスはかなり改善できるでしょう。
・ ミックスビーンズ:80g
・ 大根:2~3cmの輪切り
・ パプリカ:1/4~1/3個
・ きゅうり:1本
・ コーン(茹で):40g
・ かつお節:適量
・ オリーブオイル:大さじ1
・ レモン汁:小さじ4
・ 砂糖:小さじ2/3
・ 粒マスタード:適量
・ 塩:適量
・ 粗びき胡椒:適量
・作り方
1. ミックスビーンズとコーンは、水気を切っておく。
2. 大根・パプリカ・きゅうりを1cmのさいの目切りにする。
3. 大根とパプリカを軽く湯がき、水気を切る。
4. ボウルに胡椒以外の材料をすべて入れ、混ぜ合わせる。
5. 粗びき胡椒で味を調えたら完成。
◇その他
主食・主菜・副菜とは別に、一日1~2回、牛乳・乳製品と果物を摂ると栄養バランスが良くなります。一日の目安量は、牛乳ならばコップ1杯(200mL)です。ヨーグルトなら、小さめのカップ(約75g)2個分になります。6Pチーズの場合は2個です。1回の量を減らして、それぞれを組み合わせても構いません(例:牛乳100mL+ヨーグルト1個など)。
果物は、みかんサイズなら2個、りんごサイズなら1個までが目安です。間食をお菓子から果物に変えるだけでも、栄養バランスはかなり改善できるでしょう。
まとめ
LDLコレステロールは、通常の範囲内にとどまる限りでは特に問題ありませんが、増えすぎると血管の機能を損ない、生命・身体に悪影響をおよぼすこともあります。
しかし、LDLコレステロールは食事で改善可能です。また、LDLコレステロールの改善に極端な食事制限は必要ありません。今回ご紹介した改善ポイントを食事に取り入れ、LDLコレステロールの減少を目指しましょう。
しかし、LDLコレステロールは食事で改善可能です。また、LDLコレステロールの改善に極端な食事制限は必要ありません。今回ご紹介した改善ポイントを食事に取り入れ、LDLコレステロールの減少を目指しましょう。
監修
株式会社レイデルジャパン
コンシューマーヘルスケア事業本部 RA,R&D統括
単 少傑 薬学博士
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