コレステロールを下げるDHA・EPAが豊富な魚ランキング

日々の食事の中で、魚を食べてコレステロールを下げたいと思っていませんか?

魚を食べてコレステロールを下げるためには、「DHA」、「IPA・EPA」という成分が多く含まれているサバ、マグロ、サンマ(皮つき)、イワシなどを積極的に摂取することです。

また、

①購入時の魚の鮮度
②魚の保存方法
③魚の摂取目標量


も気にすることが大切です。

この記事では、コレステロールを下げる魚ランキングや、コンビニで買える魚料理もご紹介していきます。
いわし、さんま、さばなどの 「青背(あおせ)の魚」と呼ばれる光物の魚の脂肪には「DHA」、「EPA」という成分が多く含まれています。

双方とも、抗炎症作用や血圧降下作用のほか、血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪を減らす機能があることが分かっており、生活習慣病の予防・改善に期待され、医薬品にも活用されています。

また、DHAは、未熟児の網膜機能の発達に必須であるほか、加齢に伴い低下する認知機能の一部である記憶力、注意力、判断力や空間認識力を維持することが報告されています。つまり、胎児期から老年期に至るまでの脳、網膜や神経の発達・機能維持に重要な役割を担っているのです。

EPAは、血小板凝集抑制作用があり、血栓形成の抑制等の効果があることが分かっています。

令和3年度以降の我が国水産の動向 - 水産庁

◇毎日の健康に必要な DHA ・EPA
東京医科歯科大学 医学部附属病院 臨床栄養部 「食彩だより」 平成 25 年 12 月 発行

DHA、EPAは体内で構成されない成分で、魚介類やクジラの脂質からしか摂取できない必須脂肪酸です。日ごろから意識して取り入れることが 大切です。
食卓に並びそうな魚について、生の状態でEPAの量を比較してみると、このようなランキングになりました。

◇DHA・EPAが豊富な魚ランキング
順位 品種 DHA量
(mg/可食部100g)
EPA量
(mg/可食部100g)
1位 タイセイヨウサバ 2600㎎ 1800㎎
2位 ミナミマグロ(脂身) 4000㎎ 1600㎎
3位 サンマ(皮つき) 2200㎎ 1500㎎
4位 クロマグロ(天然 脂身) 3200㎎ 1400㎎
5位 カタクチイワシ 770㎎ 1100㎎
6位 タチウオ 1400mg 970㎎
7位 ブリ(生魚) 1700mg 940mg
8位 ニシン 770mg 880mg
9位 マイワシ 870mg 780mg
10位 コノシロ 410mg 730mg
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

いわし、さんま、さばなどの 「青背(あおせ)の魚」と呼ばれる光物の魚が多くランクインしていることが分かります。
それでは、3つのポイントを解説していきます。
魚の取り扱い DHA、EPAが多い魚は脂を多く含むため、傷みやすい食材です。購入時は、以下の3点に気を付けましょう。

①切り身はツヤがあり、身が締っているもの
②体表に張りがあり、エラが鮮やかなもの
③魚の目が澄んでいるもの

を選ぶのが良いでしょう。

◇購入時の3点チェック
東京医科歯科大学 医学部附属病院 臨床栄養部 「食彩だより」 平成 25 年 12 月 発行
購入した魚を、何も考えずにそのまま冷蔵庫で保存していませんか?冷蔵庫の保存方法にも気を付けましょう。

◇保存のポイント
冷蔵室(3~5℃) 刺身(生食)以外の調理済みの魚介類を保存
チルド室(0℃) 当日食べる魚介類を下処理し、水気をよく取ってから保存
パーシャル室(-3℃) チルド室より温度が低めで、凍る直前の状態で保存 下処理後キッチンペーパーで包み保存袋などで密閉すれば 2~3 日は 保存可能
※各冷蔵室はメーカーや機種により異なります。
東京医科歯科大学 医学部附属病院 臨床栄養部 「食彩だより」 平成 25 年 12 月 発行
どれぐらいの量の魚を食べると「健康に良い」のか気になりますよね。

水産省によると、日本人の成人男女によるEPA及びDHAの摂取目標量(下限)を1人1日当たり1gと設定されています。
海の恵みを食卓に - ∼魚食の復権 - 水産庁

この摂取目標量の1gとは、具体的には、アジの開きで0.7枚分、サンマの塩焼きで0.4尾分、ブリ(ハマチ)の刺身で4.7切分に当たります。

◇EPA及びDHCを1g摂取するために必要な魚介類
文部科学省「五訂増補日本食品標準成分表脂肪成分表編」
セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートにて食卓によくあがるであろう、「鯖の味噌煮」を購入し、食べ比べてみました。

鯖の味噌煮

◇セブンイレブン
商品名 生姜香るさばの味噌煮
価格 321.8円(税込)
熱量 283kcal
公式ホームページによると麹の風味豊かな味噌に、「昆布だし」と「さばだし」の旨味を合わせ、スライス生姜とおろし生姜で、味噌と生姜が香るさばの味噌煮に仕上げたそうです。食べてみると、ふっくら肉厚でローソンのものよりも塩気と味噌の味がやや強めで、生姜の味も感じられました。


◇ローソン
商品名 さばの味噌煮
価格 333円(税込)
熱量 1袋(液込み)当たり275kcal
公式ホームページによると、脂ののった鯖を赤味噌をベースに昆布と生姜の風味をきかせて煮込んだそうです。実際に食べ比べてみると、3社の中で一番まろやかで優しい味付けでした。


◇ファミリーマート
商品名 7プレミアムさばのみそ煮
価格 348円(税込)
熱量 275kcal (1切)
公式ホームページによるとみそとおろししょうがを合わせたタレを使用と書かれていました。実際に食べてみると、3社の中で1番味噌の色味が濃く、他社の味噌とは違い田楽味噌のような味わいでした。魚のサイズは、個体差があるのかもしれませんが、一番小さかったです。

ランキングには入っていませんが、青背(あおせ)の魚が苦手な方には「鮭の塩焼き」を選んでみるのもよいでしょう。

文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)脂肪酸成分表」によると、シロサケ(可食部100gあたり)を焼いて調理した場合、DHA510mg、EPA260mgが含まれています。

「鯖の味噌煮」同様、「鮭の塩焼き」もセブンイレブン、ローソン、ファミリーマートの3社の商品を購入し、食べ比べてみました。


◇セブンイレブン
商品名 7プレミアム銀鮭の塩焼
価格 375.8円(税込)
熱量 142kcal
公式ホームページによると、脂のりの良い銀鮭を厚切りにカットし、直火でふっくらと焼き上げました。と書かれていました。実際に食べてみると、身が柔らかくてしっとりとしていて、3社の中では1番塩気を感じました。


◇ローソン
商品名 銀鮭の塩焼
価格 376円(税込)
熱量
公式ホームページによると、脂乗りのよい養殖銀鮭を使用しているそうです。実際に食べてみると淡白で、鮭フレークの味に似ていました。


◇ファミリーマート
商品名 銀鮭の塩焼き
価格 365円(税込)
熱量 121kcal(1切)
公式ホームページによると、チリ産の銀鮭を花藻塩で漬込み、皮目まで香ばしく焼き上げた銀鮭の塩焼きと書かれていました。実際に食べてみると、皮目までしっかり焼かれているため香ばしく、魚の脂も感じました。

コンビニ商品は24時間いつでも手軽に入手することができ、電子レンジ調理のみの為、忙しい朝に便利です。

また、ほとんどの商品がお皿を移さずに食べられるため、後片付けも簡単です。調理する時間がない、わざわざ調理するのは面倒という方は、コンビニ商品を取り入れてみてはいかがでしょうか。
魚を食べてコレステロールを下げるポイントは、「DHA」、「EPA」という成分が多く含まれているサバ、マグロ、サンマ(皮つき)、イワシなどを積極的に摂取することです。

また、

①購入時の魚の鮮度
②魚の保存方法
③魚の摂取目標量


も気にすることが大切です。

最近では、気軽にコンビニで調理済みの魚を購入してみたりと、日々の献立に魚を積極的に取り入れていきましょう。

今回は、コレステロールを下げる魚についてをご紹介しましたが、悪玉と言われるLDLコレステロールを下げることだけに注力していてはいけません。

余分なコレステロールや血管内膜に溜まったコレステロールを引き抜き、肝臓へ回収するHDLコレステロールを上げ、コレステロールのバランスを重視することが大切です。

近年ではLDLとHDLのバランスを重視するLH比という考え方が一般化してきています。LH比については、下記の記事にて詳しく紹介していますので、是非参考にしてみてください。

悪玉コレステロールを減らすだけではだめ?LH比についても解説

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監修 
株式会社レイデルジャパン
コンシューマーヘルスケア事業本部 RA,R&D統括
単 少傑 薬学博士

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