卵1個(65g)に含まれるコレステロール値や栄養素を解説

文部科学省の作成した日本食品標準成分表2020年版によると、卵一個(65g)には、コレステロールが240㎎含まれています。

日本人のコレステロール摂取量の平均は1日あたり361mgであることを考えると、卵に含まれるコレステロール値はかなり高いことがわかります。

臨床試験や研究レビューの結果中には、卵は複数食べても問題ないというものがありますが、健康診断や血液検査の結果で、コレステロール値が高いと診断されている方は、卵を1日1個以内としておくべきでしょう。

本日は、コレステロール値が気になる方向けに、卵に含まれるコレステロール値について詳しく解説いたします。
卵一個(65g)あたりの主な栄養価は以下の通りです。
食品成分データベース:文部科学省

◆卵の栄養素
・エネルギー(カロリー):92kcal
・タンパク質:7.9g
・脂質:6.6g
・炭水化物:0.3g
・食塩相当量(塩分):0.3g
・コレステロール:240mg

卵は高タンパク質で栄養価の高い食品であり、コレステロール値も高い食品です。コレステロールは日本人の1日あたりの平均摂取量が361mgであることを考えると、卵1個を摂取するとほぼ一日の日本人の平均摂取量に達してしまうのです。
下記の表をご覧ください。

◆栄養摂取等摂取量-エネルギー・栄養素等、年齢階級別、平均値、標準偏差、中央値
厚生労働省の令和元年 国民健康・栄養調査報告(P82より引用)

日本人のコレステロール摂取量の平均値は361mgです。また日本人の食事摂取基準(2020年版)では、脂質異常症の重症化予防の目的により、高コレステロール血症患者のコレステロール摂取値は1日あたり200㎎以下にすることが望ましい※とされております。
※日本人の食事摂取基準(2020年版)150ページ

そのため、健康診断や血液検査でコレステロール値が高いと医師から指摘を受けている方は、コレステロールの摂取量は200mg以下を目標とすることが望ましいでしょう。そうなると卵一個のコレステロール値は240mgですから、卵は1日1個以下としておくべきです。

また、多くの食品には卵が使われているため、意識を高めておかないと卵を含む食品を摂取することにつながります。下記に鶏卵を含む加工食品の一覧を紹介します。

◆鶏卵を含む加工食品の例

・マヨネーズ
・洋菓子の一部(クッキー、ケーキ、プリン、アイスクリームなど)
・練製品(かまぼこ、はんぺんなど)
・ハムやウィンナー類
・お惣菜の揚げ物など

卵|除去食と代替食 - 公益財団法人ニッポンハム食の未来財団

卵の摂取量を考える場合は、これらの卵を使った加工食品の摂取も制限する必要があります。
下記の図をご覧ください。 厚生労働省が運営するサイトのe-ヘルスネットによると、コレステロールの2~3割は食事から取り入れられ、7~8割は糖や脂肪を使って、肝臓で合成されております。
コレステロール - e-ヘルスネット - 厚生労働省

そのため、血中コレステロールが高めな方は、コレステロールの摂取だけでなく、肝臓でのコレステロールの合成を減らす食事を意識すべきです。
下記の表をご覧ください。

◆飽和脂肪を含む割合の多い食品と不飽和脂肪を含む割合の多い食品
飽和脂肪を含む割合の多い食品
(肝臓でコレステロールを合成する機能が高まる
不飽和脂肪を含む割合の多い食品
(肝臓でコレステロールを合成が減る)
脂身の多い肉、ベーコン、ソーセージ、ロースハム、チーズ、バター、油で揚げたインスタントラーメン、ポテトチップス、チョコレート、クッキー、ビスケット、ケーキ等 大豆油、菜種油、ゴマ油、豆腐、味噌、油揚げ、油揚げ豆腐、魚介類、魚卵等
引用先:健康・体力づくりのための知識|コレステロール

公益財団法人「健康・体力づくり事業財団」のサイトのよると、肝臓でのコレステロールの合成は、食事の内容や運動で変化すると書かれています。

・飽和脂肪を多く摂取すると肝臓でコレステロールを合成する機能が高まる
・不飽和脂肪を多く摂取すると肝臓でコレステロールを合成が減る
・食物繊維を摂取するコレステロールの合成は減る
・運動をするコレステロールの合成は減る

つまり、コレステロール値が気になる方は、コレステロールの摂取量だけでなく、肝臓でコレステロールの合成を減らす食品の摂取を意識してみましょう。
卵は様々な食品に使われているため、完全に控えるのは大変です。コンビニで卵が含まれるサンドイッチやお菓子を買う習慣のある方は、以下のような食品で代替してみてはいかがでしょうか?
コンビニに行けば、様々なおにぎりがありますが、コレステロール値を気にするのなら、具材は、梅干しや鮭などの卵を含まない具材を選びましょう。また、海苔は水溶性食物繊維でもあるので、おにぎりを食べれば食物繊維も摂取することができます。

◆セブンイレブンのおにぎり
【左側のおにぎり】
商品名:手巻おにぎり 炭火焼熟成紅しゃけ
カロリー:175kcal
価格:175円(税込189円)
【右側のおにぎり】
商品名:手巻おにぎり 熟成旨味仕立て紀州南高梅
カロリー:166kcal
  価格:125円(税込135円)

コンビニのおにぎりの中には卵を含む具材がありますので、なるべくシンプルな具材を選ぶようにしましょう。卵の摂取量が気になる方は、サンドイッチよりおにぎりの方がおススメです。
タンパク質が豊富なサラダチキンは、1個食べるだけでも満腹感があります。筆者はサラダチキンの味が苦手だったのですが、最近では下記のような食べやすい様々な味が発売されております。

◆セブンイレブンのサラダチキン
商品名:スパイス引き立つサラダチキン ケイジャン
カロリー:109kcal
価格:税込213円

この写真のサラダチキンを筆者は食べてみましたが、辛味があり非常に食べ応えがありましたし、サラダチキンが苦手な筆者も、スパイスが効いているため躊躇せずに食べきることができました。

先ほど紹介したおにぎりは炭水化物が豊富ですが、サラダチキンは炭水化物が少ないためダイエット食や、またタンパク質が23.3gと豊富であるため筋トレしている方にも人気の商品です。こちらは卵が含まれるコンビニ弁当の代替品としておススメします。
セブンイレブンで発売されている豆腐バーは、手軽にタンパク質が摂取できて、大豆食品であることから、不飽和脂肪の摂取をすることができます。

◆セブンイレブンの豆腐バー
商品名:和風だしの豆腐バー 1本入
カロリー:104kcal
価格:税込149円

豆腐バーを食べてみましたが、出汁がほのかに効いており自然な味わいです。また豆腐が凝縮されているため、歯ごたえもあり、お腹が空いた時にちょうどよい商品だと感じました。

大豆製品であるためタンパク質も11.3gと豊富であり、サラダチキンと同様、ダイエットや筋トレをしている方におススメの商品です。お昼に卵を使ったお弁当の代わりに食べたり、お腹が空いた時に代替品として最適です。
ナッツを選ぶときは、砂糖がはいっていない素焼きのものを選びましょう。ナッツは食物繊維が豊富でお菓子の代替品としては最適な食品です。さらに、ナッツに含まれる脂質のほとんどが不飽和脂肪酸です。

◆セブンイレブンのミックスナッツ
商品名:7プレミアム 素焼き ミックスナッツ 80g
カロリー:528kcal
価格:税込354円

甘味はありませんがお菓子の代わりになるヘルシーな食材です。ただナッツはカロリーが高く528kclもあるので、一度に全部食べないで、複数回に分けて食べるのがよいでしょう。卵を使う甘いお菓子を食べる習慣がある方は代用品としてヘルシーであり最適です。
卵類を含む甘いモノやお菓子を日常的に摂取する方は、ヨーグルトで代替してみましょう。ヨーグルトは、砂糖不使用でタンパク質が豊富なギリシャヨーグルトがおすすめです。

◆ギリシャヨーグルト「パルテノ」
商品名:ギリシャヨーグルト パルテノ りんご&キウイmixソース入
カロリー:81kcal
価格:税込166円

スプーンの通りがずっしりとしており、重いヨーグルトのため食べ応えがあります。そして容器の底には、キウイとリンゴのフレーバーがあり、甘味もあり非常に美味しいです。その割にはカロリーも低いので、甘いモノが好きな方がお菓子の代替品としておススメできます
健康診断で、脂質異常症と診断された方は、まずはコレステロールの摂取量を1日200mg未満に抑えることをこころがけましょう。そして、食物繊維を豊富な食品摂取や定期的な運動も大切です。

LDL(悪玉)コレステロールの数値だけでなく、HDL(善玉)コレステロールの数値も大切です。なぜならHDLコレステロールは余分な血中LDLコレステロールを回収し、肝臓に戻す働きがあるからです。

まずは、ご自身のLDLとHDLの割合であるLH比※を把握してみることから始めてみましょう。

※LH 比=LDL 値(悪玉コレステロール)÷ HDL 値(善玉コレステロール)

LH比は下記のページより計算することができるので、ご自身のLH比を把握してみてはいかがでしょうか?

LH比を計算
齋藤先生_背景透過_切り抜き

監修:ナグモクリニック東京院 女性更年期外来担当医師
斎藤 糧三 医師

1998年、日本医科大学卒業後、産婦人科医に。その後、美容皮膚科治療、栄養療法、点滴療法、ホルモン療法を統合したトータルアンチエイジング理論を確立。2008年、「機能性医学」の普及と研究を推進するため「日本機能性医学研究所」を設立。
2013年よりナグモクリニック東京院で栄養外来と女性更年期外来を担当している。
関連記事