2022.07.25

卵とコレステロールの関係

卵とコレステロールの関係について正しく知ろう
食事はコレステロール数値に大きな影響を与えます。体内で必要なコレステロールは肝臓によって作られますので、血流の中にある過剰なコレステロールは食べ物によるものです。そのため、健康管理面でみると「あまり食べない方が良い食材」があるのも事実です。

長年、コレステロール管理においてあまり食べない方が良い食品の1つとして卵の存在がありました。卵は血中コレステロール値を高くし、心血管疾患のリスクを高める認識が世の中にあります。卵はコレステロールが高く、悪い食べ物という神話が長い間受け入れられてきました。

健康な人は300 mg以下のコレステロールを毎日摂取することを薦めますが、心臓病や高コレステロールの人は200 mg以下のコレステロールに抑えることを推奨します。オーストラリア産のニワトリの卵は平均200-250 mgのコレステロールを含んでいます※1。卵1個で、毎日のコレステロール摂取量の目安になります。卵のコレステロール値は、コレステロール管理のため食事制限している人にとってはあまり食べないほうがいいとされてきました。しかし、卵の話はこれで終わりではありません。実は卵には優れた機能があります。

最新の卵の研究で、食事性コレステロールが実際に血液中のコレステロールにどのように影響するかを調査してきました。研究によって発見されたのは、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸と比較して影響は非常に少なく、体に非常に良い食品であることが分かりました※2

ここからは卵とコレステロールの関係を詳しく見てみましょう。
卵の栄養素
卵が健康にどれほど良いものなのか、詳しくは知られていません。しかし、卵には200〜250mgのコレステロールが含まれています。実際のところ、それが血中コレステロール値に及ぼす影響はそれほど大きくありません。

1つの卵には、13種類の必須ビタミンとミネラルだけではなく、高品質のタンパク質も含まれています。タンパク質の多くは卵白に含まれていますが、卵黄には体に必要とされるビタミンD、コリン、抗酸化物質であるルテインやゼアキサンチンなどが含まれています。

一方、卵の脂肪については、10.4gの総脂肪摂取量を含んでいます。これは、推奨される1日の摂取量(RDI)の約15%です。

10.4gの内訳は3.4gは飽和脂肪酸、5.3gは一価不飽和脂肪酸、1.7gは多価不飽和脂肪酸、0.18gはオメガ3脂肪酸です。この中で体に悪いのは飽和脂肪酸だけです。不飽和脂肪酸とオメガ3脂肪酸は体に良いものです。ここで重要なポイントとして、卵にはコレステロールを高めるトランス脂肪酸は含まれていません。ですので、体にとって良い栄養食と言えます。
卵に含まれるコレステロールについて
卵に含まれる200〜250㎎のコレステロールはどうでしょうか。最近の研究で卵のコレステロールの量は、血中のコレステロール値を上昇させる主な要因ではないという研究結果が出ました※2。また、42歳から60歳の男女1000人を対象に、心血管疾患の主な原因である頸動脈の肥厚に対する卵の影響を調べたところ、関連性が無いことが明らかになりました※2

また、長期間にわたった研究では、卵の代替品を食べるグループと1日1〜3個の卵を食べるグループの比較を行いました※3。結果によると、卵は実際にHDLコレステロール(善玉コレステロール)を高める効果があり、総コレステロールとLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の数値はわずかに変化があることがわかりました※4。さらに、この研究グループは卵の中のオメガ-3 脂肪酸が高コレステロールの成分である中性脂肪(トリグリセリド)を低下させる働きがあることも発見しました※5

まとめますと、卵のコレステロールは、血中コレステロール値にほとんど影響を与えないことが分かりました。
卵は理想的な健康食
オーストラリアのほとんどの公衆衛生組織の指導では現在、バランスの取れた食事の一部として卵を取り入れています。オーストラリアの国民健康推進慈善団体であるHeart Foundationは、週に5~6個の卵を食べることを推奨しています※6

結論として卵はタンパク質と貴重なビタミンとミネラルの供給源であり、理想的な食品として考えてもいいでしょう。

食事でコレステロールが心配な場合は、脂身の少ない赤身肉、牛乳などを積極的に食事に取り入れましょう。ファストフードなどの飽和脂肪酸が多い食品や揚げ物、冷凍食品などのトランス脂肪酸を多く含む食品の取りすぎには十分注意しましょう。また、コレステロール値が高い場合の有効な方法のひとつとして、健康的な食事と運動を組み合わせてサプリメントを服用するのも良いでしょう。
齋藤先生_背景透過_切り抜き

監修:ナグモクリニック東京院 女性更年期外来担当医師
斎藤 糧三 医師

1998年、日本医科大学卒業後、産婦人科医に。その後、美容皮膚科治療、栄養療法、点滴療法、ホルモン療法を統合したトータルアンチエイジング理論を確立。2008年、「機能性医学」の普及と研究を推進するため「日本機能性医学研究所」を設立。
2013年よりナグモクリニック東京院で栄養外来と女性更年期外来を担当している。